キャリア・年収
エンジニア面接で実際に聞かれた質問と、答えを準備した方法
本ページはプロモーションを含みます
結論から言うと
面接対策は「答えを暗記する」より「材料を整理しておく」ほうが本番に強い。技術・転職理由・失敗経験それぞれに準備の型がある。
この記事でわかること
- 技術質問は「なぜそうするか」の説明ができれば十分で、完璧な答えは求められていない
- 転職理由は「ネガティブな本音」を「ポジティブな目標」に変換する準備が必要
- 失敗経験を聞かれたときは再発防止のアクションまでセットで答える
- 逆質問は質問がないと「興味がない人」と判断されるリスクがある
- 一次面接と二次・最終面接では準備の重点が変わる
2020年に転職活動をしたとき、私は在職中に複数社の面接を受けました。結果的に1社から内定をもらって転職しましたが、その過程で面接という場に少しずつ慣れていきました。
最初の数社は準備不足で、聞かれた質問に詰まることが多かったです。特に「なぜ転職しようと思ったか」「過去に失敗した経験を教えてください」という質問は、答えを準備していなかったのでうまく話せませんでした。後半に入ってからは、準備の仕方を変えて「答えを暗記するのではなく、材料を整理しておく」という方針にしました。この方が本番でアドリブが利くと感じました。
この記事では、私がエンジニア面接で実際に受けた質問と、準備の仕方を整理します。
技術質問:何が問われているか
エンジニアの面接では技術的な質問が必ずあります。ただし、技術質問で採用担当者が見ているのは「正解を知っているか」よりも「どう考えて答えるか」が多いと感じました。
特にインフラ系の面接で受けた質問として多かったのは次のようなものです。
「今の業務でよく使っている技術を教えてください」
これは答えやすい質問です。ただし、「Linuxサーバーの運用をしています」で終わると話が広がりません。「Linux(CentOS 7)のサーバー約80台の運用保守を担当していて、主にApacheのWebサーバーとZabbixによる監視を扱っています。障害時の初動対応から原因調査まで担当しています」のように、具体的に答えると面接官が深掘りしやすくなります。
「冗長化の方式にはどんなものがありますか」
運用・構築の経験がある人に聞かれやすい質問です。「アクティブ・アクティブ」と「アクティブ・スタンバイ(アクティブ・パッシブ)」の違い、それぞれのメリット・デメリット、どんな場合にどちらを選ぶかを説明できると評価されます。
「クラウドとオンプレミスの違いは何ですか」
クラウド系の求人なら聞かれやすい質問です。「クラウドのほうが便利です」だけでなく、「初期投資の有無」「責任共有モデルの違い」「スケーラビリティの違い」「コスト構造の違い(CAPEX vs OPEX)」といった軸で説明できると良いです。
「Terraformを使ったことはありますか」
IaC経験の確認です。業務経験があれば具体的に話せますが、ない場合でも「個人の環境で検証中で、VPCとEC2の構成をコード化する練習をしています」といった形で学習していることを示せます。
技術質問で詰まったとき、私は「正確には覚えていないのですが、私の理解では〜ということだと認識しています。不正確であれば教えていただけますか」という答え方をしました。分からないことを誤魔化すより、正直に言いながら自分の理解を示す方が印象が良い、と後の振り返りで感じました。
転職理由:「なぜ辞めるか」をどう答えたか
転職理由は面接で必ず聞かれます。私が最初に詰まったのもこの質問でした。本音は「案件を選べず同じ作業が続いていた」「成長実感がなかった」という部分でしたが、それをそのまま言うと「この人はすぐに不満を持って辞める人なのでは」という印象を与えるリスクがあります。
私が辿り着いた準備の方法は「ネガティブな理由をポジティブな目標に変換する」という考え方です。
ネガティブな理由: 「案件を選べず、設計や構築の経験ができない環境だった」
ポジティブな目標: 「インフラの構築・設計に携わる経験を積みたい」
ネガティブな理由: 「技術的な成長が止まっていると感じた」
ポジティブな目標: 「クラウドの設計や自動化に携われる環境に移りたい」
変換するときに大事なのは「嘘をつかない」ことです。「成長できる環境に行きたい」という言葉だけでは薄い。「現在の環境で何が限界だったか」「次の環境では何を得たいか」「なぜその会社を選んだか」の3セットが揃うと、転職理由が一本筋の通った話になります。
私の場合、面接で実際に話した内容は「現在の業務では運用保守が中心で、構築・設計の経験を積む機会が限られていました。インフラ全体を設計するポジションに移りたいと考えて転職活動をしています。御社に応募したのは、クラウドのインフラ設計に関わる案件が多い点と、IaCを積極的に使っている技術環境に魅力を感じたからです」という内容でした。前職の批判にならないよう注意しながら、「次に何をしたいか」を中心に話しました。
⚠️ 注意点
転職理由で「給与を上げたい」という動機は、正直に言うとマイナスに受け取られることが多いです。ただし給与は転職の重要な理由のひとつです。「給与の改善も希望しています」という表現で補足しながら、「仕事の内容としてどう成長したいか」を主軸に話すのが現実的なバランスです。また、前職の批判(上司がひどかった、会社の体制がひどかったなど)は面接で話すべきでないとされます。理由があったとしても、面接では「状況を踏まえて自分がどう動いたか」に焦点を当てる方が評価されます。
失敗経験:「過去の失敗を教えてください」という質問
この質問は準備していないと詰まります。「失敗したことを正直に話す」ことへの抵抗感があるのと、「どの失敗を話すか」の判断が難しいからです。
採用担当者がこの質問で見ているのは「失敗の内容」ではなく「その後の対応」です。失敗してどう立て直したか、そこから何を学んで何を変えたか。このセットが答えの中に入っていれば、「失敗を認識して改善できる人」という印象になります。
私が用意した失敗経験の話は「監視アラートの誤通知を見落として障害の初動が遅れた件」でした。内容を振り返ると「なぜ見落としたか(アラートが多すぎて慣れが生じていた)」「どう対応したか(手順書に確認ステップを追加した)」「何が変わったか(再発防止後は同種の見落としがなくなった)」という3点が自然に説明できる事例でした。
失敗経験を選ぶ基準として:
- 自分の行動が原因だったもの(他者の責任にできないもの)
- 改善できた経験があるもの
- プロジェクト全体に重大な影響が出たものは避ける(評価を下げすぎるリスク)
失敗経験がないという人はほぼいませんが、「業務上のミスを話したくない」という感覚はあります。完璧なミスゼロを自称するより、ミスがあってそこから学んだことを話せる人のほうが、採用側には信頼できる人材に見えます。
「強みと弱み」という定番質問
強みと弱みを聞かれる質問も定番です。準備なしで答えると「コミュニケーションが得意です」「真面目なところです」のような、何も伝わらない回答になりやすいです。
強みを話す場合は「具体的なエピソード」を添えることが重要です。
良くない回答: 「粘り強いところが強みです」
良い回答: 「障害が起きたときに原因を特定するまで諦めない粘り強さがあります。先日、原因不明のサービス断が発生したとき、ログを順に追って最終的にネットワーク機器の設定ミスを特定するまで3時間かけて調査しました」
弱みを話す場合は「克服しようとしている取り組み」をセットにします。
良くない回答: 「心配性なところが弱みです」(それだけで終わる)
良い回答: 「慎重になりすぎて判断が遅くなるときがある点が弱みです。意識的に「30分考えて分からなかったら相談する」というルールを自分に課して、判断スピードを上げる取り組みをしています」
弱みについては「業務に直結する重大な欠陥」を言う必要はありません。克服しようとしている姿勢が伝われば十分です。
強みと弱みの準備で共通して有効なのは「実際の業務で起きた具体的な場面を思い出す」作業です。抽象的な自己評価より、「あのとき自分はこうだった」という具体的な場面を複数思い出しておくと、面接でその場で話を作ることができます。事前に複数のエピソードを「引き出し」として持っておくことが、面接でのアドリブ力につながります。
面接の準備は、職務経歴書を書くことと並行して行うのが効率的です。職務経歴書に書いた経験を「話す」練習をすることで、内容に一貫性が出ます。面接官が職務経歴書を見ながら質問してくることが多いため、自分の職務経歴書の内容を口頭で説明できる状態にしておくことが基本です。職務経歴書の書き方についてはインフラ・クラウド職の職務経歴書の書き方で詳しくまとめています。
逆質問:何を聞けばいいか
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれます。「特にありません」と答えると「この会社に興味がない人」という印象になりやすいです。2〜3個の質問を用意しておくのが一般的なアドバイスです。
私が実際に聞いた逆質問のうち、有効だったと感じたもの:
「入社後の最初の数ヶ月はどんな業務から始まることが多いですか」
これは入社後のイメージを確認する質問です。「最初は既存環境のキャッチアップから」なのか「いきなりプロジェクトに入る」のかで、準備の仕方が変わります。面接官からすると答えやすい質問でもあります。
「チームの技術的な課題や、いま重点的に取り組んでいることを教えていただけますか」
チームの現状を知れる質問です。「この課題に自分が貢献できそうか」を面接の場で評価できます。答えから会社の技術的な方向性が見えることもあります。
「インフラエンジニアが自分の裁量でできることはどれくらいありますか」
「設計の仕事ができるか」「提案が通る文化か」を間接的に聞ける質問です。
逆質問で避けたほうがいいのは「給与や待遇の詳細」(最終面接前は避けたほうが無難)、「すでに説明されていること」(話を聞いていない印象を与える)、「答えにくい批判的な質問」(「御社の課題は何ですか」など)です。
一次面接と最終面接で準備の重点を変える
一次面接は主に「基礎的なスキル確認」と「人物評価の初期フィルター」であることが多いです。技術的な基礎知識、職歴の確認、転職理由が中心です。
最終面接(または二次・三次面接)では「カルチャーフィット」と「本当にこの人を採るか」が問われます。技術の深掘りより「この会社でどう働きたいか」「自分のキャリアをどう描いているか」という話になることが多いです。
この違いを踏まえると、一次面接の準備としては「職歴の整理・技術の確認・転職理由の言語化」が中心になり、最終面接の準備としては「この会社でやりたいこと・自分のキャリアビジョン・会社への質問」が中心になります。
最終面接で聞かれやすい「5年後のキャリアイメージ」については、具体的な答えを用意しておくことをすすめます。「インフラの設計ができる立場になりたい」「マネジメントよりも技術を深めたい」など、自分の志向と一致した内容を話せると評価されやすいです。インフラエンジニアとしてのキャリアパスの考え方についてはクラウドエンジニアのキャリアパスにまとめています。
エンジニアとして転職活動全体を通じて何を準備するかについてはIT・エンジニアの転職エージェント選び方にも参考になることをまとめています。エージェントとの面接練習や模擬面接を活用するのも有効です。
面接対策に使ったもの
実際に使ったのは「過去の職務経歴書を見ながら、想定質問に声に出して答える練習」でした。声に出すことで、頭の中では答えられていると思っていたことが、実際には言語化できないという状態に気づきます。
転職エージェントの担当者に模擬面接を依頼するのも有効です。私の場合、1社のエージェントで模擬面接をしてもらいました。本番に近い緊張感の中で答えを確認できたのと、「この言い方は伝わりにくい」というフィードバックが参考になりました。
面接の準備で最も時間をかけたのは「転職理由の言語化」でした。繰り返し書いて話して修正する作業を、転職活動を始めてから最初の1ヶ月で集中的にやりました。この準備が後半の面接では自信につながりました。
職務経歴書の書き方についてはインフラ・クラウド職の職務経歴書の書き方で詳しく書いています。面接で話す内容の基になるのが職務経歴書なので、面接対策と並行して職務経歴書の精度を上げていくのが効率的です。
面接を経て転職するかどうかという判断についてはSESから抜けたいときに検討した選択肢に自分の経験をまとめています。転職が正解かどうかは人によって違うので、判断の軸を整理するための参考にしてください。
面接の場での緊張は誰にでもあります。準備の量が自信につながり、自信が緊張を和らげます。早めに動いて面接経験を積みながら準備を続けることが、最終的な結果につながります。
オンライン面接での注意点
コロナ禍以降、オンライン面接が一般化しました。対面面接との準備の違いについても触れておきます。
技術的な準備として、接続テストを事前に行うことは必須です。使用するツール(Zoom、Teamsなど)の音声・映像が正常に動作するか、背景が適切かを確認します。面接の5分前にはスタンバイしておくのが基本です。
映像に関しては、カメラの位置(顔が正面に映るか)、照明(顔が暗くないか)、背景(散らかっていないか)の3点を確認します。バーチャル背景を使う場合は、会社の面接という場にふさわしいものを選びます。
話し方については、対面より若干ゆっくり話すことが有効です。回線の遅延が発生することがあり、話し終わる前に相手が話し始めてしまうケースがあります。相手の発言が終わってから0.5〜1秒待って話し始める習慣をつけると、かぶりが減ります。
メモを取ることもオンラインでは自然です。ノートに書きながら面接を受けることは、対面より違和感が少ないです。ただしパソコンで入力しながらの場合はキーボードの音が気になることがあるため、タイピング音が大きいキーボードの場合は手書きに切り替えるのが無難です。
複数社を同時に受けるときの進捗管理
複数社の選考を並行して進めるとき、選考状況の把握が重要です。どの会社で何次面接まで進んでいるか、内定が出たらいつまでに返事をしなければいけないかを整理していないと、内定が重なったときに判断が遅れます。
簡単な管理表を作るのが有効です。会社名、応募日、選考状況(書類選考・一次面接・最終面接・内定)、次のアクション、内定期限を列で管理します。スプレッドシートでも手書きのノートでも構いません。
転職エージェントを使っている場合は、担当者が選考状況を管理してくれることが多いです。ただし複数のエージェントを使っている場合や、直接応募も並行している場合は、自分で全体を把握しておく必要があります。
内定をもらったときの返答期限は、一般的に1〜2週間が多いです。「もう少し時間がほしい」という場合は、エージェント経由であれば担当者を通じて延長を打診することができます。直接応募の場合も、正直に「他の選考の状況を確認したいので、1週間延長できますか」と聞いて受け入れてもらえることがあります。
転職活動中の精神的な負荷への対処
転職活動は、在職しながら行う場合は特に体力・精神力の消耗を伴います。書類を作って落とされ、面接に行って落とされるサイクルは、想像以上にエネルギーを使います。
私が転職活動中に気をつけていたことは「1社1社に結果を求めすぎない」という点でした。書類が通らなかったことを「自分を否定された」と受け取ると、精神的な消耗が大きいです。「この会社の基準に合わなかっただけで、自分のスキルが否定されたわけではない」という切り替えが必要です。
また、転職活動を長期化させないために「何ヶ月以内に動く」という期限を自分で設けるのも有効です。期限がないと「いつでも動ける」状態が続き、準備が中途半端になりやすいです。
転職活動の進め方と、どんなエージェントを使うかの判断はIT・エンジニアの転職エージェント選び方にまとめています。エージェントを複数使うことのメリット・デメリットも書いています。インフラエンジニアとして30代で転職する場合の特有の考え方については30代エンジニアの転職も参考にしてください。
面接後の振り返りを次に活かす
面接が終わったあと、すぐに振り返りをする習慣をつけることをすすめます。「どんな質問をされたか」「自分はどう答えたか」「手応えはどうだったか」を5〜10分でメモに残しておくと、次の面接の準備に役立ちます。
特に「答えに詰まった質問」と「手応えが良かった質問」を記録しておくことが重要です。詰まった質問は準備が足りていた部分、手応えが良かった質問は自分の強みが出ていた部分です。この記録が積み重なると、自分の面接でのパターンが見えてきます。
同じ会社で二次面接に進んだとき、一次面接の振り返りメモが役に立ちます。「一次面接でこういう話をしたから、二次ではここを掘り下げられそう」という予測ができます。また、内定が出た会社と落ちた会社の違いを振り返ると、「自分はどういう会社・どういう面接官との相性が良かったか」が見えてきます。
在職中の転職活動の場合、面接の日時を管理するために何かしらのツールが必要になります。スケジュール管理と面接振り返りメモをシンプルに一元化することで、活動全体の見通しが立てやすくなります。面接を重ねるほど「どんな質問が来ても対応できる」という自信と安心感が着実に積み重なっていきます。
まとめ
エンジニア面接の準備は「答えを暗記する」より「材料を整理しておく」方針のほうが本番で力を発揮しやすいです。
技術質問は「なぜそうするか」を説明できるように準備する。分からない場合は正直に言いながら考える姿勢を示す。
転職理由は「ネガティブな本音」を「ポジティブな目標」に変換する。前職の批判ではなく「次に何をしたいか」を中心に話す。
失敗経験は「失敗の内容」よりも「その後の対応と学び」を話す。自分の行動が原因で、改善できた経験を選ぶ。
逆質問は「入社後のイメージを確認するもの」「チームの状況を知るもの」を2〜3個用意する。
一次面接と最終面接では準備の重点を変える。最終面接に向けては「この会社でどう働きたいか」を言語化しておく。
面接の場での緊張は誰にでもあります。準備の量が自信につながり、自信が緊張を和らげます。早めに動いて面接経験を積みながら準備を続けることが、最終的な結果につながります。
面接を複数社経験することで「聞かれることのパターン」が見えてきます。在職中に複数社受けることを怖がらずに、場数を踏む意識で進めてみてください。転職活動を進めるなかでのエージェント選びや内定の受諾判断についてはIT・エンジニアの転職エージェント選び方でまとめています。インフラエンジニアとしてSESから出るときの判断軸についてはSESから抜けたいときに検討した選択肢も参考にしてください。
よくある質問
技術面接でどこまで正直に「分からない」と言っていいですか?
「分からない」と言うのは問題ありません。ただし「分かりません」だけで終わると印象が悪いです。「その点は経験がないのですが、〜という方向で調べると良さそうと考えます」のように、考える姿勢を示すほうがいいです。
転職理由で「上司との人間関係が嫌だった」というのは言えますか?
正直に言うほうが本人にとっても誠実ですが、それだけだと面接官は「次の職場でも同じことが起きるのでは」と思います。「そういう環境でどう動いたか」「そこから何を学んで何を変えようとしているか」を合わせて話すと、印象が変わります。
複数社を同時に受けている場合、他に受けている会社を聞かれたらどう答えますか?
正直に「複数社に応募しています」と答えて構いません。業界や職種を絞っているならそれも伝えると「軸がある人」という印象になります。具体的な会社名を言う必要はありません。
逆質問は何個用意すべきですか?
2〜3個用意しておくと安心です。面接の中で自然に答えが出てきた質問は本番では聞かなくていいので、「答えが出ていない疑問」を優先します。