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資格・学習

Azure資格の取る順番|AZ-900から実務で効いたものまで

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結論から言うと

Azure資格は順番より「触りながら学ぶ」ことが実力に直結します。AZ-900は用語の共通言語として意味があり、その後は業務に近い領域から順に深めていくのが効率的です。

この記事でわかること

  • AZ-900が意味ある理由と、それだけでは足りない理由
  • 管理者系(AZ-104相当)で何が身につくか
  • 設計系(AZ-305相当)への自然な移り方
  • 資格と実際に手を動かすことの関係
  • 転職でAzure資格がどう扱われるか

Azure資格を取ろうと思い立ったとき、私が最初に調べたのは「どの試験から受けるべきか」という順番の話でした。調べると「AZ-900から始めるのが定石」という話があちこちに出てきます。実際にそのとおりに始めてみたのですが、そこから先の順番については誰もあまり具体的に教えてくれませんでした。

AZ-900を取ったあと、次に何をすればいいのか。どのくらいの間隔で進んでいけばいいのか。実務と学習をどう組み合わせるか。こうした疑問は、調べても人によって言うことが違う。それは当然で、正解はひとつではないからです。

この記事では、私がAzure資格を取り進めた順番と、各段階で何が身についたかを書きます。インフラ寄りのエンジニアが実務しながら進んだ経験として、参考になる部分があるかもしれません。最初に断っておくと、私の経験は私1人のものなので、これが最善という話ではありません。

⚠️ 注意点

この記事で触れる試験コードや学習内容は2026年8月時点の情報をもとにしています。Microsoftの認定資格は改廃・更新が頻繁に行われます。試験コード・出題範囲・提供状況・受験方法については、必ずMicrosoft Learnの公式ページで最新の情報を確認してください。受験料・試験時間・合格ラインの具体的な数値は変動するため、この記事では扱いません。

AZ-900から始めた理由と、受けてみた感触

AZ-900(Microsoft Azure Fundamentals)は、Azureの基礎を扱う試験です(2026年8月時点)。クラウドの概念、Azureの主要サービスの概要、セキュリティとコンプライアンスの基本的な考え方が出題範囲に含まれています。

私がAZ-900から始めたのは、周囲に「まずここから」と言う人が多かったからです。正直なところ最初は「基礎的すぎて時間の無駄では」と思っていました。受けてみると、意外と手こずる部分がありました。

概念の用語を整理できていなかったことに気づかされたのが、一番の収穫でした。「可用性ゾーン」と「リージョンペア」の違い、「IaaS」「PaaS」「SaaS」の区分けが実際のサービスに当てはまっていない、といった曖昧さが山ほど出てきました。

オンプレのサーバ運用から入った人間にとって、クラウド独自の概念は直観が効きません。ネットワークの考え方ひとつとっても、物理的な配線から考えていたものが仮想的なリソースに切り替わると、ピンとこないことがある。AZ-900はその整理を強制的にやらせてくれる機能がありました。

AZ-900は意味があるか

「AZ-900は意味ないのでは」という声を聞くことがあります。内容が浅すぎる、実務に直結しない、という意見です。それ自体は当たっています。AZ-900を持っていても、Azureを実際に設計したり構築したりできるわけではありません。

ただ、用語の共通言語を作るという意味では有効だと思っています。チームや顧客と話すとき、前提が揃っていないと説明のたびに言葉の定義から始めることになります。AZ-900の範囲をひととおり整理しておくと、「Azureの話をするときの最低限の語彙」は揃います。

もうひとつの意味は、上位の試験に進むときの足場になることです。管理者系や設計系の学習を始めたとき、AZ-900で整理した概念がベースとして機能していました。基礎が薄いまま上位を目指すと、理解が表面的になりやすい。

ただしAZ-900だけで止まるのは意味が薄いです。入口として機能するが、それだけでは実務の役には立ちません。通過点として使う、という位置づけが実態に合っています。

無料枠でAzure環境を作って触る

AZ-900の学習中に気づいたのが、サービスの名前と実物がつながらないという感覚です。ドキュメントを読んでも、実際にどういうものかがイメージできない。

解決策は単純で、手を動かすことでした。Microsoft Azureの無料アカウントを使うと、一定の範囲内で実際のサービスを試せます(無料の内容や上限は変わるため、公式ページで確認してください)。最初の環境として、仮想マシンを1台作って接続してみる、ストレージアカウントを作ってファイルを置いてみる、といった小さなことを積み重ねていきました。

読んで分かった気になるより、実際に動かしてエラーを踏んだほうが頭に残ります。「まず環境を触る」は、資格の勉強に限らずAzureを覚えるうえで一番効率がよかったと感じています。これは学習の初期段階に限らず、新しいサービスが出たときも同じです。

管理者系の試験(AZ-104相当)に進んだとき

AZ-900の次に私が取り組んだのは、Azureの管理者を対象とした試験です(2026年8月時点ではAZ-104 Microsoft Azure Administratorとして提供されていますが、内容は変わることがあります。必ず公式ページで確認してください)。

AZ-900が「Azureとは何か」を扱うとすれば、管理者系は「Azureをどう使うか」の領域に入ります。仮想ネットワークの設計、ストレージの管理、仮想マシンの展開と監視、IDとアクセス管理(Entra ID)、バックアップとリカバリーの構成といった、実際に手を動かす場面が増えます。

この試験の範囲を学んでいたとき、一番詰まったのはネットワーク周りでした。仮想ネットワーク(VNet)、サブネット、NSG(ネットワークセキュリティグループ)、VNet ピアリング、VPNゲートウェイ——これらの関係を整理するのに時間がかかりました。オンプレのネットワーク知識は参考になりましたが、そのまま転用できるわけでもない。概念として分かってから、実際に構成を作ってみて、ようやく定着するという流れでした。

学習と実務の往復効果

この段階で気づいたのは、試験範囲の学習が実務の解像度を上げるという効果です。

たとえば、Entra IDの設計を試験範囲として整理したとき、それまで「なんとなく使っていた」部分が体系的に見えてきました。ユーザー管理、グループ、ロールベースのアクセス制御(RBAC)、多要素認証——それぞれがどういう関係で動いているかを説明できるようになったのは、試験の学習を通じてでした。

一方で、試験範囲の学習が実務では少ししか使われないことも起きます。試験は幅広い範囲をカバーするので、自分が普段関わらないサービスの問題も出ます。それは割り切るしかありません。私は「実務で使う領域は深く、それ以外は合格点が取れる程度に」という方針で進めました。全部を均等に仕上げようとすると時間が足りなくなります。

✅ ここだけ読めばOK

管理者系の試験範囲はAzureを実際に扱う場面と重なりが大きいです。学習の過程で「知っていたつもりで実は理解が浅かった」部分が見つかります。これは資格のための学習が実務の底上げになる、数少ない具体的な場面のひとつだと感じています。

ハンズオンで詰まることの価値

試験の学習中に一番役に立ったのは、ハンズオン形式の教材でした。手順が書いてあって、実際にAzureポータルで操作しながら進めるタイプです。Microsoft Learn上にも公式のラーニングパスが用意されており、ポータルを直接触れる演習が含まれています。

ポータルを触っていると、想定外のエラーが出たり、リソース名の命名規則でひっかかったり、想定より時間がかかったりします。それが面倒に感じることもありますが、そこで詰まった経験が記憶に残ります。試験の問題を解くとき、「ここは実際に触ったときに詰まったな」と思い出せる部分は、正答率が上がりやすい。

Azureの操作に慣れているエンジニアでも、初めて触るサービスでは詰まります。知識と操作の両方が揃わないと動かせないからです。無料枠でできる範囲でいいので、読むだけでなく触る、を習慣にしておくと学習の質が変わります。

設計系の試験(AZ-305相当)に取り組んだとき

管理者系の次に進んだのは、設計を扱う試験です(2026年8月時点ではAZ-305 Designing Microsoft Azure Infrastructure Solutionsとして提供されていますが、内容は変わることがあります。必ず公式ページで確認してください)。

AZ-305は「与えられた要件に対して、どういう構成にするか」を扱います。可用性、スケーラビリティ、コスト、セキュリティのトレードオフを判断し、複数のサービスを組み合わせてシステムを設計する領域です。

管理者系と大きく違うのは、問いの形式です。管理者系は「この操作をするにはどのコマンドか」のように手順を問うことが多いのに対して、設計系は「この要件ではどの構成が適切か」という判断を問います。唯一の正解がなく、前提条件によって答えが変わる。試験問題としても、「〇〇の要件を満たすコスト効率の高い構成は何か」といった形式が増えます。

「なぜその構成か」を説明できるようになった

AZ-305の学習を通じて一番変わったのは、「なぜそうするか」を説明できるようになったことです。

それまでは構成を決めるとき、過去の経験や慣例に基づいていました。「以前そうやったから」「そういうもんだから」という判断です。設計の考え方を体系的に整理すると、要件に対して複数の選択肢を並べて比較できるようになります。「可用性を高める必要があるなら、この2つの方法があって、コストと管理の複雑さではこちらが優れている」という説明の仕方ができるようになる。

これは面接でも機能します。「なぜその構成にしたのか」という問いに対して、要件から説明できる人と「なんとなく」で答える人では、評価が変わります。私が転職活動をしたときも、技術的な判断の根拠を説明できるかどうかは、面接官の反応が変わる場面でした。

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設計系の試験を学んでいた時期、実際の案件で「このAzure Firewall、本当に必要ですか」と顧客から聞かれたことがありました。それまでは「一般的にこういう構成なので」と答えていたと思います。勉強していたおかげで、「今回の要件ではNSGで対応できる可能性があります。トラフィックの特性を確認したうえで再提案します」という形で話せました。これが「資格の学習が実務に直結した」と感じた具体的な場面です。

AZ-305の前提として

AZ-305はAZ-104(または開発者向けのAZ-204)を前提として推奨されることが多いです。管理の実務を理解したうえで設計を考える流れが自然なためです。私の場合、管理者系を通っていたことで、「実際に管理するときにこの構成はどうなるか」という視点を持ちながら設計の学習ができました。

ただし前提の要件や推奨されるパスは変わることがあります。受験前にMicrosoft Learnの公式ページで確認してください。

その他の領域の資格について

AZ-900、管理者系、設計系以外にも、Azureには多くの認定試験があります。2026年8月時点では、開発者向け、データエンジニア向け、AIエンジニア向け、セキュリティ向けなど、専門領域ごとに試験が用意されています。

私自身が手をつけていない領域については詳しく書けませんが、インフラ寄りの立場から見ると、セキュリティ(2026年8月時点ではAZ-500相当)とネットワーク(AZ-700相当)は実務との重なりが大きいと感じています。どちらも設計系の知識があると理解が深まりやすい内容で、取り組む順番としては設計系の後が自然だと思います。

ただし試験の提供状況や名称は変わります。受験を検討するときは必ず公式ページで現在の情報を確認してください。過去には試験が統合されたり、難易度や範囲が更新されたりしています。

「広く浅く」と「狭く深く」の使い分け

Azureの資格を眺めると、「特定の領域を深く扱う試験」と「広く浅く扱う試験」の傾向が見えます。AZ-900は後者の典型で、AZ-305は前者に近い。

自分が今どのフェーズにいるかによって、どちらから入るかが変わります。Azureを初めて触る段階では広い試験で全体像を掴むほうが効率的です。ある程度使えるようになってきたら、自分の業務に近い専門領域を深める試験に移る。この順番は私の経験では自然でした。

なお、Microsoft自身がMicrosoft Learnにロールベースの学習パスを公開しています。「Azure管理者」「Azureソリューションアーキテクト」といったロールに対して推奨されるラーニングパスが整理されているので、自分の目指す方向が決まっていればそこから入るのも有効です。

資格を取っても実務は別だという現実

ここは正直に書きます。資格を取っても、実際に設計・構築できるかどうかは別の話です。

AZ-305を持っていても、初めての本番案件では詰まります。試験では問われない細部——実際の制限値、デプロイのタイミングで生じる依存関係の問題、コスト試算の落とし穴——は実際に触らないと分かりません。

資格は「知識の体系を確かめる手段」であって、「実務経験の代替」ではないです。この点を混同すると、資格は持っているのに現場で使えない、という状態になります。私が知っているインフラエンジニアの中にも、試験の勉強だけに集中して実際の構成が組めない、という時期があった人が何人かいます。

私が意識していたのは、学習の中に必ず「手を動かす時間」を入れることでした。教材を読む、過去問を解く、だけで終わらせず、Azureの環境で実際に構成を作って試す。うまく動かなかったとき、理由を調べる。この往復が、試験に受かるだけでなく実務でも使える理解につながりました。

試験が終わったあとも、新しいサービスが出たとき、使い方が変わったときに実際に試す習慣があると、知識の陳腐化が遅くなります。Azureは更新が速いので、学習を一度で終わらせるという発想ではなく、継続的に触れていく意識が必要です。

生成AIと公式ドキュメントの使い分け

学習中に気をつけたことをもうひとつ書きます。生成AIを使って調べながら勉強しているエンジニアが増えていますが、AIの回答がAzureの現在の仕様と合わない場面があります。特に、頻繁に変わるサービス名や廃止されたサービスの話、料金体系については、古い情報が混じることがあります。

調べる効率としてAIは便利ですが、重要な情報はMicrosoft Learnか公式ドキュメントで確認する習慣をつけておいてください。私も試験の準備中に、AIの回答と公式ドキュメントが食い違う場面を経験しました。一次情報はMicrosoft Learnです。

Azureの資格と転職の関係

Azure資格が転職でどう機能するかについては、インフラ系の資格は転職で評価されるかに詳しく書きました。ここでは概略だけ触れます。

書類選考では、資格欄にAzureの認定を書いておくと「Azureを触ったことがある人」という情報が伝わります。それだけで通るわけではありませんが、採用担当者が技術の細かい部分を判断できない場合、資格は共通の物差しとして機能します。

面接に進んでからは「その資格を取ってから、実際に何をしましたか」という問いが必ず来ます。資格だけを並べても、そこから先の話がなければ評価されません。私が転職活動をした経験からも、書類と面接で資格の機能が違うことははっきりと感じました。

インフラエンジニアの市場での位置づけについてはインフラエンジニアの年収相場と担当領域の関係も参考になります。Azureのスキルがどのくらい評価されるかを知るうえで、担当領域と年収の関係を理解しておくと見通しが立てやすくなります。

学習の継続については働きながら勉強時間を確保する方法で別途書きました。資格の勉強を日常に組み込む方法として参考にしてください。

職務経歴書にAzureの資格や経験をどう書くかはインフラ/クラウド職の職務経歴書にまとめています。実際に書類を書く段階になったとき、参考にしてみてください。

転職を具体的に考え始めたなら、エージェントに相談すると自分の経験がどう評価されるかの感覚が掴めます。エージェントは実際の求人の技術要件を日常的に見ているため、「Azure設計の経験でどのくらいの求人に当たるか」という感覚を持っています。詳しくはITエンジニアの転職エージェントの選び方を参考にしてください。転職エージェントの利用は求職者側には費用がかかりません。採用が決まったときに企業側が費用を負担する仕組みです。

学習を続けるための仕組みづくり

Azure資格の話をしてきましたが、最終的に大事なのは「継続」です。

AZ-900から始めて管理者系、設計系と進んでいく流れは一般的に言われるとおりで、私の経験とも合っています。ただし、どこかで止まって長く触れない期間があると、知識が抜けていきます。私も間が空いた時期に、以前は分かっていたはずのことが分からなくなっていた経験があります。

学習を続けるために有効だったのは、試験日を先に申し込むことでした。試験日が決まると、逆算して準備が始まります。締め切りがない学習は後回しになりやすく、「時間ができたら勉強しよう」というアプローチは機能しません。仕事の合間に学習時間を作る方法については働きながら勉強時間を確保する方法に書きました。

また、試験が終わったあとも無料枠でAzureを触り続けることを意識していました。新しいサービスが出たとき、使い方が変わったときに実際に試す機会を作っておく。Azureは更新が速いので、学習を一度で終わらせるのではなく、継続的に触れていく意識が必要です。

まとめ

  • AZ-900は用語の共通言語として意味があるが、これだけでは実務に使えない。入口として位置づける。
  • 管理者系(AZ-104相当)の学習では、Azureの実際の操作と管理の全体像が整理される。手を動かすことと組み合わせると理解が深まる。
  • 設計系(AZ-305相当)では「なぜその構成にするか」を説明できるようになる。面接でも活きる。
  • 試験コードや内容は変わるため、最新情報はMicrosoft Learnの公式ページで確認する。受験料・試験時間・合格ラインは公式ページで確認のこと。
  • 資格は実務経験の代替ではなく、知識の体系を確かめる手段。合わせて実際に手を動かすことが重要。
  • 学習を続けるには試験日を先に申し込む方法が有効。
  • 転職での扱いは書類選考での物差しとして機能するが、面接では実際の経験が問われる。

資格の効果と転職の関係についてはインフラ系の資格は転職で評価されるかで続きを書いています。

よくある質問

AZ-900は取る意味がありますか。

用語の共通言語を作るという意味では取る価値があります。ただしこれだけでは実務に使えず、次のステップに進む入口と考えてください。

AZ-900の次は何を取ればいいですか。

自分の業務内容によって変わります。管理・運用が主なら管理者系、設計に関わりたいなら設計系が自然な流れです。現在の仕事内容と目指す方向から選ぶのが基本です。

資格なしでAzureの実務はできますか。

資格がないと実務できないわけではありません。ただ学習の道筋をつけるという意味で試験の体系は参考になります。資格と実務経験を組み合わせることで理解が深まりやすくなります。

Azure資格の最新情報はどこで確認しますか。

Microsoft Learnの公式ページが一次情報です。試験の構成や提供状況は変わるため、受験前に必ず最新の情報を確認してください。

無料でAzure環境を作れますか。

Azureの無料アカウントを使うと一定の範囲内で無料で試せます。上限や対象サービスは変わるため、公式ページで確認してください。

藤原 慎

2016年からインフラ/クラウドの実務、2020年に転職を1度経験

都内のSIerでインフラエンジニアをしている会社員です。オンプレのサーバ運用から入り、いまはクラウド(主に Azure と AWS)の設計・構築を担当しています。20代のときに情報不足のまま転職を進めて苦労した経験から、エージェントやスクールの選び方を調べ直して記録に残すことにしました。勤務先の都合で実名は出していません。

どういう基準で書いているか